シーボルトの妻タキと娘イネ

 鎖国時、出島のオランダ商館医として1823年に長崎に赴任したドイツ出身の医師シーボルトが見初め、熱愛の末に結婚したという妻・タキ(楠本滝)とその娘イネ(楠本稲)を題材にした作品です。
 イネは父譲りの赤毛と、色白で、成長してからは彫りの深い美しい顔立ちであったということですが、人形に使った髪もそんなイメージに合わせ染色してあります。
 父・シーボルトはイネが2歳7ヶ月の時に祖国へ追放されますが、タキが手にしている長崎を象徴する花として有名なこの紫陽花は、日本を追放になった後、日本の風習や植物、美術工芸などを広くヨーロッパへ伝え広めたシーボルトが、最愛の妻を「オタクサン」と呼んでいたことにちなんで、学名「ハイドランゲア オタクサ」と名付けたということです。(平成16年制作)
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